旭天鵬が勝ち越し「にんにく卵黄」飲む!


<大相撲九州場所>◇9日目◇17日◇福岡国際センター
西前頭11枚目の旭天鵬(40=友綱)が東前頭6枚目の豊ノ島(31)をはたき込み、勝ち越しを決めた。40歳2カ月4日での幕内勝ち越しは、35年5月場所の能代潟の40歳1カ月13日を上回る、昭和以降最年長記録となった。
いたずらな笑みが浮かんでいた。風呂から出ると、旭天鵬はここ数日のお決まりの言葉を連発した。「分からん。わけ分からん」。昭和以降最年長となる40歳2カ月4日での幕内勝ち越し。「うれしいよね。勝ち越せると思わないもん。本人がびっくりしているんだから、みんなびっくりでしょ?」とおどけた。
豊ノ島のいなしに体が泳いだ。だが、ここで手をつかないのが今場所の40歳。素早く反転し、焦って足が空回りした相手をはたき込んだ。師匠だった先代大島親方(元大関旭国)の太田武雄氏が観戦に訪れていた。今も電話やあいさつに行く。怒られることもある。「もっとこうしろ」と、熱く相撲の指導を受ける。それがまた、うれしい。「勝った後に目が合った。手を挙げていたよ」とうれしそうだった。
今年に入って3日に1回「にんにく卵黄」を飲み始めた。体のケアは、それくらい。ただ、気力が違う。夏場所前に第3子となる次女の舞ちゃんが生まれた。「子供が生まれるたびに『こいつが相撲分かるまでは』って頑張ってきた。もう1人、増えちゃったからね。いけるかな?」。
40歳の奮闘。その波及効果も喜びの1つだ。「これでみんな元気出るよ。若の里とか安美(錦)とか。豪風もそう。何人か元気出そうとしている。彼らも気持ちを若く持てるかも」。そういう自分も、優勝制度が確立された1909年以降、最年長優勝の太刀山の38歳9カ月を上回る可能性が…。だが「声を大にして言う。ない!」。笑って帰っていった。【今村健人】

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