にんにくの起源と伝説

にんにくの起源と伝説

人とニンニクの関わりは、たいへん古いことが記録からもよく知ら れています。このニンニクのもつ刺激的な句いや昧は、活力を高めた り、病気を治癒させ、また病気にかかりにくくすることと、密接に結 びつけて考えられてきました。

ニンニクは、人類が最初に手にしか治療薬、あるいは万能薬ともい われるほど、効果が高く、効能範囲もたいへん広いうえに、また食品 としても昧を引き立て、非常に魅力があるといわれます。しかも、副 作用がなくて保存しやすいなど優れた特長から、世界的に広く親しま れてきました。このニンニクの起源は、古く中央アジアの遊牧民の伝 説から求められるといわれます。

遊牧民の男が、ユルトと呼ぶ移動式テントの中で、高熱のため死に かかっていました。その男の妻は一族の賢者カムのもとに走り、「彼 の魂を呼びもどして下さい!」と懇願したのです。カムは急いで男の ユルトの近くまで行くと、珍らしい▽奉の草が目にとまりました。そ の草にはすばらしいパワーがあるのを、カムは感じとり、その草を拉 いて互い茎のかけらを三つ、上空に放り投げたところ、ドラのような 大きな音がしたのです。そうするとユルトから、悪霊がものすごい顔 をして立ち去っていきました。カムが、残りの互い茎のかけらをスー プに入れ、男に飲ませたところ、病気の男はたっぷりと汗をかき、熱 が下がってきたのです。一族の者たちは、この草を集め栽培すること にしました。この草は一族の病気を治癒させ、健康に恵まれた一族は その草を遊牧に携え、草は世界に拡がっていづたというのです。

 

ロシアの植物学者A・フェドレンコらは、この伝説の地中央アジア (アフガニスタンの北からチペットと、ロシアの南、中国の西に接す る地域)に、探険隊として訪れ、野生のニンニク属の植物の原種を、 いくつも発見したのでした。

インドでは、現存する最古のサンスクリット文書(紀元350~375年)の医学書(バウァー文書)に、賢者カシラジャの話を記録し ています。

光り輝く神デーヴァは、戦いの好きな悪魔アスラと、長い戦いで一 時休戦をして、太陽と月をつくりました。そして、さらに不老不死の 霊薬エリキサをつくったのです。これを悪魔アスラが盗み、捕って首 をはねられたとき、その血のしずくが地面に落ち、ニンニクが生れた というのでした。

同じような伝説は、イスラム敦にも伝えられてきました。このよう な神話の時代を加えると、人類とニンニクの出合いは6000年も前にさ かのぼるともいわれています。

これらは、ニンニクの神聖で魔力的なパワーと、句いの強さを示し たものでした。このニンニクの魔力に対する力を、現代社会にドラマ として、世界的に有名にしたのは「吸血鬼ドラキュラ」の物語りです。 ドラキュラが最も恐れたのは、なによりも十字架とニンニクのパワー だったのでした。