FANCLの冊子「元気生活」でニンニクの効果を解説

 
日本大学の有賀豊彦先生が解説されています。
とっても分かりやすくまとめられていました。
内容を要約すると・・・

●ニンニクは古くから滋養食として珍重され、医薬品のない時代を支えていました。

ニンニクに関する一番古い記録は、紀元前4500年のエジプトにあり、ピラミッド建設の際、労働者達の貴重な活力源として用いられ、不作などで供給がストップするとストライキが起こったとも伝えられています。その後ニンニクは強壮効果や腹痛の治療、駆除の特効薬として広がり、特に中国では、「ニンニクに勝る薬、食品はない」と言われたほど。医薬品が無かった時代、ニンニクは万能薬として珍重されていたのです。

●ニンニクは切ったり、擦りおろすことでアリシンという匂い物質ができ、多彩な薬効を生み出す。

ニンニクは傷つけられてはじめて強烈な匂いを発しますが、それは細胞内に蓄えられたアリインと、水や栄養を運ぶパイプが集まった場所(維管束)に存在するアリナーゼが反応して、匂い成分「アリシン」を発生させるため。アリシンは大変不安定な性質を持ち、すぐに百数十種類もの成分へと変化します。そのため、切ったニンニクをしばらく置いておくと匂いが変わるのです。

●アリシンの殺菌能力は強力。ほとんどの細菌に働き、水を溶けると1年近く効果を発揮

第二次世界大戦中に赤痢が流行したときには、ニンニクが特効薬として用いられたほどです。この殺菌作用はアリシン中のアリルチオ基という特殊な分子を直接、細菌にぶつけて行われていることがわかってきました。

●ビタミンB1の吸収率アップとアドレナリン分泌促進での強壮効果、さらに脂肪燃焼も促します。

ビタミンB1は、糖からエネルギーを作るために欠かせない水溶性のビタミンで、糖をたくさんとってもビタミンB1が不足していればエネルギーの代謝が滞ってしまいます。

ビタミンB1とアリシンが結合し「アリチアミン」という物質になると、水溶性から脂溶性になり、吸収率が10倍にもなるといわれており、体内に蓄えられやすくなって、ビタミンB1の働きが長時間持続します。


















さらに、ニンニクはアドレナリンなど、私たちの「やる気」や「気力」に関わるホルモンの分泌を促進します。アドレナリンは、体を興奮状態へ導き、瞳孔拡大、気管支拡張、心拍促進に作用するもので、眠気を覚まし、気分を高揚させる働きがあります。また血糖の燃焼を促進させる為、ビタミンB1のエネルギーー産生を持続させる効果とあいまって、さらに「元気」を湧き上がらせるのです。

また、アドレナリン分泌に働くニンニクは、褐色脂肪組織を活性化します。褐色脂肪組織とは、エネルギーをためずに、どんどん消費する特殊な脂肪組織で、体のごく一部にしか存在しないと言われています。ネズミを使った試験では、ニンニク摂取後、褐色脂肪組織が大きくなり、体温が上昇することが分かりました。脂肪燃焼の促進も期待できます。このほか、アドレナリンには、中性脂肪の燃焼を促進させる働きも報告されています。

●ニンニクの血液サラサラ効果は顕著で、血栓予防、血圧低下のほか、血流を促し冷え予防にも役立ちます。

















ニンニクの血液サラサラ効果は大変顕著で、ニンニクを5g食べると約48時間も血小板の凝集力が抑えられます。血小板はケガをしたときなどに血を固める大切な血液成分ですが、活性化しすぎると動脈硬化の進行や血栓の形成を促し、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。

最近の研究結果で面白いことが分かってきました。本来、ニンニクを食べるとアドレナリンやノルアドレナリン分泌を促進するため、血圧が上昇しそうですが、実際は、血圧が下がる報告が多くあり、長年、ニンニク研究の課題とされてきました。しかし、最近の研究で、ニンニクの匂い成分をもとに体内で作られるスルフィド類が血液中でごく微量の硫化水素となり、非常に強力な血液拡張作用を発揮することが分かってきたのです。これにより、血管の筋力が緩み、血液が下がると言うわけです。

さらに、スルフィド類には、「脱感作」と呼ばれる作用があることも分かってきました。これは耐寒に関わる神経に先回りして、体温上昇・高体温へと導き、寒さを感じにくくさせる働きです。通常、耐寒に関わる神経は摂氏17度で働きますが、脱感作は、気温に関係なく起きるため、冷え対策に役立てることが出来ます。ついでに、脱感作はカプサイシンにも見られ、こちらは耐暑に働きます。世界的に見て一般に寒い国の伝統食にはニンニクを使用するものが多く、暑い国には唐辛子を使うものが多いようです。