「源氏物語」にも登場する「にんにく」


日本には奈良時代に、中国から漢方薬として伝来したと言われています。 「にんにく」は、あの『源氏物語』にも出てきます。「帚木」のなかの、有名な「雨夜の品定め」に、『極熱の薬草』として登場しているのです。 梅雨の降り続くある夜に、式部丞が光源氏や頭中将たちに乞われて話した、非常に学問のある女性についての話のくだりです。 付き合っていたこの賢女は、久しぶりに訪ねてきた式部丞に対し、『病気のため、極熱の薬草(すなわち「にんにく」)を服用していますので、口辺に臭気がありますゆえ、お会いできません』と、しゃれた断り方をしたと、式部丞は告白するのです。  さて古来日本では、「葷酒山門に入るを許さず」と言って、葷(臭い野菜=にんにく、ニラなどのネギ類)と酒は、寺院に入ってはいけないとされてきました。酒は人の理性を狂わせ、にんにくなどの葷は精を強めすぎるため、清浄な修行を乱すためとされています。 生臭坊主は、酒を般若湯と名付けて飲んでいたようですが、さて「にんにく」は、どうしていたのでしょうネ。